リフレーミング(reframing)してみよう

~「リフレーミング」は心理学の家族療法の技法で、これまでと異なる角度からのアプローチ、視点の変化、別の焦点化、解釈の変更という「フレーム」の架け替えによって、同じ「絵(状況)」でも違った見え方になり、自分や相手の生き方の健康度を上げていくことを言います。この能力は誰しも潜在的にもっていると考えられています。 これから私が書いていくことは、ジャンルを超えて多岐に渡ることになりますが、自分の潜在能力を使って、いま私たちの目の前にあること、起こっていることの真実に少しずつ近づいていけたらと思っています。

2024-01-01から1年間の記事一覧

子どもの自殺予防はできるのか(後編)~小中高生の自殺者数513人(2023年) 空前の高止まり

学校の支援の現状、自殺と精神疾患との関係について さらに、社会問題として自殺と、子どもの自殺予防の難しさを考えます 学校での子どもたちの支援の状況 小中高生の自殺の予防を考えるために、まず現在の学校(主に小中学校)の子どもたちの支援の一般的な…

子どもの自殺予防はできるのか(前編)~小中高生の自殺者数513人(2023年) 空前の高止まり

小学生13人 中学生153人 高校生347人(2023年:厚生労働省・警察庁) 小中高生の自殺者数の推移と、自殺者数の全体的な傾向を見ていきながら、 自殺のメカニズムと予防について考えます。 小中高生の自殺者数の推移と、全世代の傾向 2023年度の小中高生の自…

ひきこもり支援から学ぶ~「解決型支援」の限界(後編)

不登校の中学2年生Kくんの母親の場合 「支援」の意味、「解決」とは何かをあらためて考えさせられたケースです (ケースは実際のものとは変えてあります) 初回面接:母親の悩み 中学2年生のKくんの母親は、顰め(しかめ)顔で相談を始めました。 以下、母親…

ひきこもりの支援から学ぶ~「解決型支援」の限界(前編)

「解決」ありきの支援は当事者を追いつめる 「つなげる支援」、「切らない支援」への転換を 「ひきこもり」は青天井で増加しています コロナ禍以降、全国的に「ひきこもり」が急増しています。 61万人(2020年)→105万人(2021年)→124万人(2022年)→146万…

会食恐怖症(後編)~不登校に苦しんだIさん

小学校1年生の給食の強要から会食恐怖症になったIさん。 それをきっかけに不登校になったIさんは、中学校でも苦闘を続けました。 中学校への入学とフリースクール 体調を崩して欠席することを繰り返し、断続登校をしながら小学校を卒業したIさんは、中学校入…

会食恐怖症(前編)~学校給食の強要から始まることもあります

会食恐怖症は、不登校のきっかけにもなっています。(Iさんのケース) (ケースは実際のものとは変えています) 会食恐怖症とは 食事を楽しむ人たちは世の中に多くいます。グルメと言われる人でなくても「食」への多少のこだわりを持つ人や、気に入った店の…

不登校~孤軍奮闘する母親たちを生む社会

不登校相談に訪れる親は、未だに母親が多数派で父親の相談は少なく、特に父親単独での継続相談はあまり増えません。 「子どもの学校のことは母親」という、古い社会通念がまだ色濃く残っているようです。 それどころか、子どもの支援をする母親の足を引っ張…

不登校を治すより、学校を直そう(その3)~子どもを「見える化」して、ゆっくりと子どもに向き合える学校に

少人数クラス(25人学級)の早期導入で、教員が子どもに落ち着いて向き合える環境にしていきましょう 35人学級でも多すぎます 今は、現行の40人学級から35人への移行期になっています。計算上では40人学級では、1クラス20~40人の間、35人では17~35人の間…

不登校を治すより、学校を直そう(その2)~親が困ったら、気軽にいつでも相談できる学校に

相談のハードルが低い「教育相談窓口」は、不登校の有効な初期対応になります。 学校の教育相談の現状 これまでの学校は、親が気軽に子どもの相談する場所ではありませんでした。 子どもに問題があると教員から親に連絡をして話し合ったり、スクールカウンセ…

不登校を治すより、学校を直そう(その1)~困っていたら助けてもらう「社会モデル」の視点を学校に

学校生活の中で、「すべての子どもを手助けする仕組み」が必要です。 教育先進国のインクルーシブ教育をヒントにしました。 「個」の支援だけでなく、すべての子どもが日頃から支援される「社会モデル」への転換 現状の小中学校から、発展的に不登校対策を考…

強迫性障害(Obsessive-compulsive disorder)は治療できる病気です

「病気だという自覚(外在化)」が治療の第一歩です。 ただの心配性や不安症、潔癖症ではなく、生活上の機能障害を引き起こす10大疾患の一つです。(WHO) (ケースは実際のものとは変えています) 強迫性障害の特徴 日頃から不安が強く、心配性で神経質な人…

不登校対策で、流行り出した校内フリースクール(別室登校)を点検する

自治体一斉の取り組みは、教員の意識の差を埋められるのか。 校内フリースクールで再び「不登校」にならないためのチェックポイント。 不登校対策で急激に流行り出した校内フリースクール(別室登校)とその歴史 不登校の児童生徒のための「別室登校」は今ま…

「東京都スクールカウンセラー大量雇止め」にみる都政の子ども支援軽視 ~公務員の会計年度任用は冷酷な非正規雇用制度です

「派遣切り」以上の惨さ(むごさ)です。(週20時間以下の雇用は雇用保険対象外) 「ブラックリスト」があるという噂も聞こえてきます。 東京都で、ベテランのカウンセラーが大量雇止めになりました 2月3日付の東京新聞に「簡単に代わりが務まるの?スクールカ…

再考・不登校29.9万人~教員やSC(スクールカウンセラー)の労働環境と雇用の実態を抜きに議論はできません

「不登校・今のスタンダード」 全国の小学校各クラス1名弱、中学校各クラス2~3名が不登校 中規模小学校では全校で10人前後、中学校では全校で30人前後 不登校や問題行動の増加、学校問題の顕在化 不登校の激増に対して文科省は各自治体の支援体制の向上や学…

子どもの睡眠時間は足りていますか~体内時計の不調から起こる、起立性調節障害は不登校の原因にもなります

世界一睡眠時間が短い日本人。小中学生の睡眠不足が問題になっています。 授業中の眠気、集中力不足、無気力、イライラ、頭痛や不眠、自律神経の失調など。 安定した睡眠リズムを司る体内時計が心身の健康を守ります。 規則正しい食事習慣と安定した睡眠がス…

不登校とフリースクールの選び方

「バイパス」としての役割と選び方。 「不登校=フリースクール」ではありません。選択肢の中の一つと考えましょう。 不登校のなりたて(急性期)は、まず休養させる 子どもが不登校になると、いつ再登校?別室登校できる?適応指導教室か?フリースクールか…

パンデミック後の不登校支援に必要な視点とは何か

パンデミックが終わっても、コロナ禍の影響は現在進行中です。 小中学生の不登校はすでに約30万人になり、潜在的な不登校を含めると40万人を超えるという民間調査も報道されています。(ケースはすべて実際のものとは変えています) パンデミック後の不登校…

不登校とエデュケーショナル・マルトリートメント(教育虐待)

子どものために良かれと思う親の価値観の押しつけが、子どもの健康を損なわせます。 (ケースは実際のものとは変えています) 社会不安が、我が子の商品価値を高めたい親の気持ちに火をつける 中学受験の広がりがメディアでも多く扱われるようになりました。…