リフレーミング(reframing)してみよう

~「リフレーミング」は心理学の家族療法の技法で、これまでと異なる角度からのアプローチ、視点の変化、別の焦点化、解釈の変更という「フレーム」の架け替えによって、同じ「絵(状況)」でも違った見え方になり、自分や相手の生き方の健康度を上げていくことを言います。この能力は誰しも潜在的にもっていると考えられています。 これから私が書いていくことは、ジャンルを超えて多岐に渡ることになりますが、自分の潜在能力を使って、いま私たちの目の前にあること、起こっていることの真実に少しずつ近づいていけたらと思っています。

2023-01-01から1年間の記事一覧

不登校の支援~子どもは必ず発達・成長する

「児童期」「青年期」(思春期)を支えるために。 エリクソンの「生涯発達」(ライフサイクル)の視点から不登校支援を考えます。 (ケースは実際のものとは変えています) 「人間は生涯発達する」(エリクソン) エリク・H・エリクソン( Erik H.Erikson, 1…

私立校の不登校~支援級スタートから県立高校トップ校に合格したNくんの紆余曲折

私学教育の「建学の精神」は何処に行ったのか?人間教育の理念は忘れられたのか? Nくんとの出会い(実際のケースとは内容を変えています) ある日、適応指導教室の入り口に立って活動の様子を見ていると、すっと横から私が首から下げたネームホルダーを勝手…

発達障害の二次障害の深刻さ

発達障害は先天的ですが、二次障害は障害ゆえに社会が負わせた後天的な傷です。 社会の無理解と不寛容が主な原因です。 Yくんの過酷すぎる二次障害(実際のケースを変えて書いています。) ASDの診断と不登校・父親の叱責 地域療育で小学校低学年時にASD(自…

感覚過敏は自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性の一つです

ASDの人たちには、五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)に感覚過敏がある場合が多くあります。それぞれの人によって感覚過敏がある知覚や程度、対象などは違いがありますが、それらが日常生活に支障をきたしていることが多くみられます。「敏感」ではなく「…

HSCは発達障害ではありません~5人に1人はHSC(HSP)です

「心も体も、何に敏感かは一人ひとり違います。」~エレイン・N・アーロン(カナダ・臨床心理学博士 2015) HSC=「ひといちばい敏感な子(The Highly Sensitive Child)」アーロンの心理学の概念です。(大人はPerson) 「敏感」だが「過敏」ではないHSC(HS…

不登校の急性期・回復期・成長期~学校以外は何処へでも行ける元気な不登校になるためには

不登校の原因は十人十色ですが、学校に行きづらくなる「急性期」や、休んで少しエネルギーが回復し始める「回復期」、心身ともにエネルギーが高まって暇を持て余し始める「成長期」という流れは多くのケースでみられるものです。 今回は不登校の理解のために…

子どもの支援と学校 ~学校教育はデッドエンドを迎えるのか・子どもの支援の向かう先は

子どもの支援の立場から、思いつくままに今の学校教育の課題を挙げてみました ・激増中の不登校は30万人。 ・世界平均の2倍のクラス定員。相変わらずの集団教育。 ・教員の過労死ラインを超える過重業務と深刻な教員不足。 ・まったく進まない部活動地域移…

子どもの発達障害への支援~進まない理解と根強い偏見

「発達障害」は診断名ではありません。四つの障害の総称する社会的概念です 近年「発達障害」はメディアでも多く扱われるようになり、広く知られるようになりましたが、まだまだ誤解や偏見が多いように思います。正確な情報や、学校現場での取り組みの紹介な…

子どもの情緒発達を支える愛着形成 ~リカバリー(recovery)よりリニューアル(renewal)の立ち直りを目指す不登校支援を

子どもの「情緒の発達」の重要性 子どもの発達を見ていく時、私たちは以下4つの側面から見るのが一般的です。 ①身体的発達(身体が大きくなる。運動機能が成長する。) ②認知・知覚の発達(視覚・聴覚などが成長して、自己の外界のことを理解する。) ③情緒…

不登校・親だって学校に行きづらい ~親のしんどさを支えるには

学校に相談に行くのはあたり前なのか 「文科省が発表した2022年度の全国小中学校の不登校児童生徒数29万9048人のうち専門機関への相談がないケースは約11万4000件。18万5000件(61.8%)は専門機関への相談をしている」と10/26の記事で紹介しました。 専門機…

子どもの成長・発達のための支援とは~家庭や学校を責めても解決には繋がらない

子どもの成長・発達には、子どもの側に立った養育環境や教育環境、地域や社会の環境が必要です・マズローの欲求5段階説から 「マズローの欲求5段階説」という、心理学者マズローが提唱した「自己実現理論」があります。以下に紹介した有名な「三角形」は、子…

不登校になった子どもが、学校に三下り半(みくだりはん=離縁状)を突きつけるまで~学習評価・評定を考える

Fさんは三歳で平仮名が読めて、数字を理解して簡単な足し算もできたので、お母さんは「この子は天才だ」と思ったそうです (事例は実際のものを変えています) 皆さんは、三歳の子どもの姿がすぐにイメージできるでしょうか? お子さんがいる人でも、子どもが…

不登校に生きる希望をみる~コロナ禍での不登校の爆発的増加は、学校教育の危機かもしれないが、人間が生きることについては悲観するだけの材料ではない

少子化の中での「不登校」の激増、自死件数の増加が意味するもの 文科省が発表した2022年度の全国小中学校の不登校児童生徒数29万9048人のうち専門機関への相談がないケースは約11万4000件と訊くと更に深刻さが増します。でも裏返して考えると18万5000件(61…

不登校29万9048人をリフレーミングする・不登校を人数だけで、十把ひとからげに論じることは、一人一人の子どもの現実を見えなくしてしまうことに繋がります

不登校29万9048人 文科省が今年10月に発表した2022年度の「問題行動・不登校調査」調査によると、全国の小中学校で年間30日以上の欠席をした不登校児童生徒数が29万9048人になったそうです。(昨年度比22.1%増、10年連続増加、小学校10万5113人、中学校19万…